「どうも」にあたる韓国語には、대단히(テダニ)があります。
「どうも~。●●です」
「どうもすみません」
日本語には、「どうも」と表現する言葉が多いですよね。
実は、대단히(テダニ)以外にも、他の単語で表される場合も多いです。
今回は、
韓国人の奥さんと結婚して6年になる私が、
韓国語「どうも」について場面別にお話させていただきます。
1.挨拶で使う「どうも」
「どうも、すみません」
「どうも、ありがとうございます」
この2つにあるように、「どうも」は、謝意の強調として用いられる場合があります。
どうも = 非常に(挨拶などで) |
この「どうも」は言い換えれば、「非常に」という意味になります。
たとえば、「どうもありがとう」というコトバであれば、『非常に』と言い換えれば、「非常にありがとう」という感じになります。
この「非常に」をさらに、分かりやすく言い換えると『とても』となります。
つまり、「とてもありがとう」という意味になります。この「とても」は、物事を強調する意味があるため、今回の「どうも」は、挨拶などの時に使える強調のコトバとなります。
■대단히(テダニ)
대단히(テダニ)
挨拶などの「どうも」 例)「どうも、ありがとう」 |
「どうも」は、韓国語では、대단히(テダニ)を使います。대단히(テダニ)には、物事を強調する働きがあり、日本語に訳せば「非常に(とても)」という意味になります。
■대단히(テダニ)を使った例
・今回の事は、どうもありがとうございます。
イボン イルン テダニ ゴマㇷ゚スㇺニダ
이번 일은 대단히 고맙습니다 |
・お願いばかりで、どうもすみません。
ブタㇰマン デュリョソ テダニ ミアナミダ
부탁만 드려서 대단히 미안합니다 |
2.あいさつ代わりに「どうも」
「どうも、●●です」
こんな感じで、挨拶のかわりに使われる「どうも」もありますよね。次は、このような挨拶がわりに使われる「どうも」についてみてみましょう。
■会話の例
A:はじめまして。
どうも、●●です。
チョウㇺ ペッケスㇺニダ
처음 뵙겠습니다 アンニョンハセヨ ●●イㇺニダ 안녕하세요? ●●입니다 |
上の会話の例にあるように、日本語の「どうも」には、「こんにちは」といった挨拶の意味があります。
ですので、日本では、「こんにちは」と挨拶するかわりに「どうも」と使って、挨拶の場面で使われるケースも多いです。
ですが、韓国語の대단히(テダニ)には、日本語の「どうもありがとう」「こんにちは」といった言い換える表現使い方はありません。
それから、もう1つよく使われる「どうも」の形をみてましょう。
■「あ、どうも」
A:「これ食べてください。」
「イゴ モゴ ジュセヨ」
A:「이거 먹어 주세요」 |
B:「あ、どうも。」
「ア ネ ゴマㇷ゚スㇺニダ」
B:「 아 , 네 , 고맙습니다 」 |
この場合の「どうも」は「ありがとう」という意味になります。ですので、韓国語では「고맙습니다(ゴマㇷ゚スㇺニダ)」というコトバで表されます。
もちろん、状況や相手によっても「どうも」という感謝の重さも変わってきます。
例えば、言う相手が、目上の方に対しての「どうも」と、親しい友達に対しての「どうも」では、感謝の重さが変わってくるのと同じです。
このように、「どうも」は場面によって、また、親切にしてもらう相手によっても、捉え方が変わってきます。
3. 疑いに使う「どうも」
次は、疑いで使われる「どうも」についてみていきます。例えば、
・どうも気になるな~
・どうも怪しいよね~
こんな感じで、疑いを意味する「どうも」もあります。
■아무래도(アムレド)
アムレド
아무래도 どうも(なんだか、どうやら) |
物事を疑う場合に使われる「どうも」は、아무래도(アムレド)を使います。例えば、「どうも気になるな~」という文の場合、「なんだか、気になるな~」と言い換えることができますよね。
このように、「どうも」というコトバには、「なんだか、どうやら」という意味があります。
■使い方
・彼女がどうも気になる
ヨジャチングガ アムレド マウメ ゴㇽリョヨ
여자 친구가 아무래도 마음에 걸려요 |
・どうも怪しい
アムレド スサンヘヨ
이무래도 수상해요 |
このように、이무래도(アムレド)には、「なんだか、どうやら」という意味があります。この文章を日本語に訳した場合に、「どうも」というコトバでも訳すことが可能です。
実は、最後にもう1つ「どうも」を使った単語があります。興味のある方は見ていただけると、幸いです。
4.否定で使われる「どうも」
ココだけの話ですが、「どうも」には、否定する時に用いることが出来る単語が存在します。ここでは、最後に否定に使える「どうも」について押さえてみます。
■아무리 해도(アムリ ヘド)
아무리 해도(アムリ ヘド)
どうも(どうやっても) |
・どうも上手くいきません。
・どうも問題が解けない。
このように、「どうも+否定」という形で作られる文もあります。
아무리 해도(アムリ ヘド)には、「どうやっても、どうやら」といった意味があり、「どうも、うまくいかない」のような、日本語で使われる「どうも」に対しては、아무리 해도(アムリ ヘド)が使われる場合が多いです。
■例文
・どうもうまくいきません。
アムリ ヘド チャㇽ アンデヨ
아무리 해도 잘 안돼요 |
・どうも、
良い方法が見つかりません。
アムリ ヘド
아무리 해도 ジョウン バンボブㇽ チャジュル ス オプソヨ 좋은 방법을 찾을 수 없어요 |
5.今回のお話のまとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、韓国語「どうも」についての4つの使い方について、お話させていただきました。
日本語では、「どうもすみません」「こんにちは」の代わりに、「どうも」だけで表現することもできます。
ですが、こういった物事を省略する使い方は、韓国語にはありません。
どういうことかと言えば、「どうも、●●です」と日本では言えますが、韓国語の대단히(テダニ)には、もともと「どうも」という意味がありません。
ですので、直訳する形ではなく、あくまでもニュアンスが「どうも」という形にできますよという話なのです。
日本語には、相手に直接伝えない間接的な表現がいくつもあります。
それに対して、韓国語はどちらかと言えば、ストレートに相手に表現します。
こういった文化の違いが、言葉の言い回しや表現に影響を与えていると考えられます。
今回の記事が少しでも役に立つ情報になれば幸いです。
長文読んでいただき、ありがとうございます。