「なかなか上手ですね」
「なかなかスランプから抜け出せない」
「これなかなか美味しいね」
「なかなか」という言葉。
実は、かなり曖昧な言葉だと考えています。
どれぐらい美味しいんですか?
なかなか美味しいよ!
この「なかなか」だけでは相手に伝わりにくいですよね。
ですが、相手に伝える際に「なかなか」という言葉を用いて伝えたい時は意外に多いのもまた、事実です。
それは、自分の感情を相手に伝える際に、どのぐらいすごいのかよりも、とりあえず、「なかなか」という言葉を用いてでも伝えたい場面も多いためです。
このように、「なかなか」という言葉には「曖昧さ」があります。
ですが、この曖昧さがあるからこそ、相手や場面に対して使いやすい時も多いわけです。
今回は、韓国語で「なかなか」が使える場面や単語について色々とお話させていただきます。
「なかなか」の2つの使い方
「なかなか」には大きく分けると2つの使い方があります。
1なかなか=相当、かなり
2なかなか+〜ない
この2つの使い方です。
それでは、早速、この2つの使い方についてそれぞれまとめていきます。
なかなか=相当・かなり
1つ目の「なかなか」に”相当””かなり”という意味合いがあります。
例えば、
「この料理なかなか美味しいね」
「次の相手はなかなか手強いよ」
「この作品はなかなかだね」
このように、料理やお店に行った時に味の感想を言ったり、料理が値段よりも美味しいと感じた場合などに使うことが多いです。
それから、対戦相手などを分析する時に、このチームはなかなか手強いね。
この相手は思ったよりも、なかなか手強いので注意が必要だよ。
このように、スポーツでの対戦相手や個人選手を分析する際にも「なかなか」がよく使われます。ですので、スポーツの中継やサッカーなどを始め、スポーツ競技全般でもよく使われる言葉です。
また、作品に対しても「なかなか」という言葉はよく使われます。
絵や陶芸を始め、芸術的な作品に対しては「なかなかの作品ですね」という言葉がよく使われています。
絵や彫刻などアーティストの分野では評価や感じたことなどが個人によって変わってきます。
このような場面では、「なかなか」という曖昧なニュアンスがよく使われる場合が多いように思います。
なかなか〜ないの使い方
次に「なかなか+〜ない」の使い方です。
この使われ方も日常生活で非常に多い表現方法です。
例えば、
「渋滞で車がなかなか動かない」
「彼の考えがなかなか理解されない」
「チャンスがなかなか来ない」
このような「なかなか+〜ない」という使い方です。
この使われ方で使う際には「思うようにうまくいかない」という意味で使われる表現です。
”渋滞で車がなかなか進まない”という表現を例に出してみると、
前に進みたいのに、渋滞によってなかなかうまく進みません。
このような気持ちが込められています。
このように、自分がやりたいことがあるけど、何かの原因となることがあって『うまくできない』という意味が込められています。
なかなかの使い方2つ
ここまでを簡単にまとめてみます。
「なかなか」という言葉には大きく分けると2つの用法があります。
1なかなか=相当、かなり
2なかなか〜ない
この2つの用法です。
それでは早速、この2つの使い方で使われる韓国語の単語についてお話させて頂きます。
なかなか=相当、かなり
「なかなか」の意味合いが「相当」「かなり」を表す場面で使われる単語は제법を使います。
なかなか=相当、かなり |
제법 |
제법には「なかなか」という意味合いがあります。
それでは使い方について例を挙げてみます。
この料理は値段の割になかなか美味しいです |
이 요리는 가격에 비해 제법 맛있어요 |
あなたがもしご飯などを食べにお店に立ち寄った際に、
「値段の割になかなかいける!」と思った場合にはこの表現が非常に便利です。
実際、比較的値段の安い食堂や市場がたくさんあります。
値段は安いので味を期待していなかった時も多いのですが、価格も安くて味も美味しい店が多いです。
ですので、そのような時に使えるフレーズに、
이 요리는 가격에 비해 제법 맛있어요
(この料理は値段の割になかなか美味しいです)
このフレーズが使えます。
実際に、私もよく使っているフレーズで、フレーズは友達に教えてもらったフレーズです。
”なかなか美味しいね〜”ともう少しカジュアルな表現にしたい場合には、
제법 맛있네~
このように表現すると、さらに砕けた感じで友達関係としてはベストな表現となります。
書道の実力がなかなかだね |
서예 실력이 제법이네 |
今回は例文に書道を挙げてみましたが、何か一芸に秀でたことがある場合には「なかなか」を使って表すことができます。
「なかなかですね」と言いたい場合には제법이네というフレーズを使うと良いです。
書道や料理、ピアノなどの楽器をはじめ色々なことに対して「あなたの実力はなかなかだね」ということができます。
また、趣味などに対しても「なかなか」と使う場面も多いですよね。
将棋や囲碁などに対しても使える便利なフレーズです。
ピアノの実力はなかなかだね |
피아노 실력이 제법이네 |
将棋の実力はなかなかだね |
장기 실력이 제법이네 |
このようにフレーズで表すと大変便利です。
それから「●●がなかなかだね〜」と●●と言いたいけど、●●の単語がわからないケースもあるかと思います。
私自身も、単語を完璧に覚えているわけではないので●●の単語がわからないこともあります。
例えば盆栽を趣味にしている少し変わった友人がいるのですが、
「あなたの盆栽はなかなかだね」
と言いたいけど盆栽の単語がとっさに出てこない時がありました。
そんな時は「なかなかだね(제법이네)」というだけでも、相手には意外と伝わっています。
相手が「何が”なかなか”なの?」と言われたら、
指をさして「これのことだよ」と伝えてあげれば誤解も少ないです。
ちなみに韓国語で盆栽は분재と言います。
次の相手はなかなか手強い |
다음 상대는 제법 강해요 |
相手に「なかなか手強い」と使いたい場面では、
상대는 제법 강해요
と使うと良いです。
ちなみに、「相手は強いから油断しないでね」と言いたい場合は、
相手はなかなか強いから油断しないでね |
상대는 제법 강하니까 마음을 놓으면 안돼요 |
このように使えます。
「油断しない」は韓国語で
”마음을 놓으면 안된다”
と使います。
これは、直訳すると「心を入れないとダメだ」という意味になります。
小学生にしてはなかなか上手だね |
초등학생치고는 제법 잘하네요 |
誰かに対して「なかなか上手だね」と言いたい場合には、
제법 잘하네요
とう表現ができます。
それから、男に対して”なかなかハンサムです”と伝えると男は単純なのですぐにその気にして嬉しくなってきます。
背が高くてなかなかハンサムです |
키가 크고 제법 잘생겼어요 |
韓国語で男性に対して「かっこいいです」と使いたい場合には、
잘생겼어요
があります。
そのほかにも、
멋있어요
という表現もあります。
どちらを使っても良いですのであなたの好みということになります。
제법を使う時の注意点
ここまで제법を使った表現についてお話させていただきました。
この제법は日本語の”なかなか”に当てはまる言葉です。
日本語の”なかなか”を少しイメージしてもらえれば分かりますが、誰かが”なかなか”を使う際には、少し上から目線に聞こえる場面が多いと思います。
”この料理なかなか美味しいですね”と同じフレーズを使うにしても、若者が上の立場の方に対してこのセリフを使ってしまうと、少し失礼にあたる危険性があります。
それから、제법以外にもほかにも”なかなか”に相当する単語があります。
その単語とは、
꽤や상당히という単語です。
この2つの単語も”なかなか”と訳すことができる単語です。
ですが「なかなか+である」の形で使える言葉はこの제법だけです。
つまり、この제법さえ覚えておけば色々な場面で応用可能だというわけです。
もちろん、この꽤や상당히について知りたい方は、どのような場面で使えるのかを調べることもアリです。
ですが私自身、正直、꽤や상당히を日常生活であまり使いません。
なぜなら、この제법を使いこなしているためです。
使うか使わないかは個人の自由ですので、色々な単語がある中であなたが使いやすい単語をチョイスする必要があります。
私自身は、この제법を活用しているので、他の単語を使う必要性があまりないのです。
”なかなか”+〜ない
「なかなか」の活用方法に「なかなか〜ない」の形があります。
「風邪がなかなか治らない」
「忙しくてなかなか遊ぶ時間がない」
「チャンスがなかなか来ない」
「勉強してもなかなか頭に入らない」
このように”なかなか”には「やりたいのにそれが思うようにいかない」というニュアンスがあります。
なかなか〜ない |
좀처럼 |
このように「やりたいのにそれが思うようにいかない」という意味で使われる”なかなか”は
좀처럼
という単語を使って表されます。
それでは例文で使い方をまとめてみます。
例文
風邪がなかなか治りません |
감기가 좀처럼 낫지 않아요 |
「なかなか〜らない」のパターンでよく出てくる形が、
風邪や病気などが”なかなか治りません”という使い方です。
風邪は韓国語で감기と言います。
それから”治りません”のように「〜しません」と言いたい場合には、
〜지 않아요
と表現します。
ですので”治りません”と言いたい場合には、
낫지 않아요と言います。
それから”なかなか時間がありません”という使い方もよく使われます。
仕事が忙しくてなかなか遊ぶ時間がありません |
일이 바빠서 좀처럼 놀 시간이 없어요 |
このように表現できます。
”遊ぶ時間がありません”と言いたい場合は
”놀 시간이 없어요”
と訳すことができます。
また、”寝る時間がありません”という使われ方もよくされています。
寝る時間がありません |
자는 시간이 없어요 |
寝る時間は”자는 시간”と表します。
それから”チャンスがなかなか来ない”という言いたい場合にもこの좀처럼を使えます。
チャンスがなかなか来ない |
기회가 좀처럼 오지 않아요 |
”チャンス”は韓国語で기회と言います。
それから”チャンス”と使いたい場合には、
“찬스”と使ってもオッケイです。
私は「チャンス」という言葉が大好きです。
それは、平秀信さんという方の言葉が心に響いたからです。
”チャンスは1分おきにやってくる”
この言葉に惹かれて私はチャンスのファンになったのです。
それから、コレは私の悩み事なのですが、韓国語を勉強しているのに”なかなか上達しない”という悩みがあります。
この場合の”なかなか”も좀처럼が使えます。
勉強しているのになかなか上達しません |
공부하고 있는데 좀처럼 늘지 않아요 |
”上達する”は韓国語で”늘다”と使います。
語学に限らず、勉強しているのに成績や実力が伸び悩む時期って結構あると思います。
そんな時には私自身は、
”だったらもっとやってやる”
ともっと学習を加速させています。
”それでもダメなら、さらにやる”
こんな感じです。
それで出来なかったら・・・
こんな考えも脳裏によぎることはあるのですが、
ダメでも何か残るものはあるかな・・・
別に損だとも思わないので私はいつも
”やりまくる”という選択肢を取っています。
別に、この方法をオススメしているわけではありません。
人によってそれぞれの選択肢があると思います。
ですが、私はできるのに手を抜きたくないタイプの人間です。
私がいつも頭に入れているのは松岡修造さんの言葉です。
”100回叩くと壊れる壁があったとする。
でも、みんな何回叩けばいいか分からないから、
99回まで来ていても諦めてしまう”
私はこの言葉を胸に秘めて今までやりまくっています。
やるだけやってみようという戦法です。
私は凡人なので、凡人としてやるだけやってみようと思っています。
今回のお話のまとめ
いかがでしたか?
今回は韓国語「なかなか」についてお話させていただきました。
韓国語で”なかなか”に当たる単語は大きく分けると2つあります。
1なかなか=かなり相当を表す“제법”
2なかなか〜ないを意味する“좀처럼”
この2つです。
1つ目の”제법”は
「なかなか美味しいね」
「なかなかカッコいいね」
このように「なかなか」が相当、かなりを意味する単語です。
この”제법”には上から目線なニュアンスが含まれているため、目上の方に対して使う際には注意が必要です。
2つ目の”좀처럼”は「なかなか〜ない」を意味する言葉です。
「風邪がなかなか治りません」
「チャンスがなかなか来ません」
「勉強しているのになかなか上達しません」
このように、「自分が思っている通りに思うようにいかない」という意味で使われる単語です。
”なかなか”という言葉は非常に曖昧な意味を表しています。
ですが、この曖昧さが時に自分を助けてくれる単語でもあります。
とっさに相手を讃えたいけど、何と言って良いのか分からない場面。
めちゃくちゃ美味しいわけではないけど、それなりに相手を褒めたい場合。
このように、”むちゃくちゃ凄い”という趣旨とはズレるけど、それでも相手に”良かったよ”と伝えたい場面などではこの”なかなか”は非常に使える便利な単語だと思います。
また、”なかなか〜ない”という単語も日常で使いやすい表現ですので、ぜひ活用してみることをオススメします。
今回のお話が少しでもあなたの役立つ情報になれば幸いです。
長文読んでくださりありがとうございます。